どんどん読了。
みをつくし料理帖(8)残月 (著)髙田郁
悲しい事柄の多かった前巻だったが、この巻は、その悲しみを乗り越え、登場人物それぞれが新しいことに向かって歩みだすという感じだった。
主人公・澪の奉公先であった今はなき「天満一兆庵」の若旦那であり、「ご寮さん」の芳の息子である行方不明だった佐兵衛については、ひと段落ついたという感じ。ただし、恐らく、物語には重要なポジションで再登場するだろうなあと思う…。
澪は、その佐兵衛に関わるなと忠告された料理屋「登龍楼」店主・采女宗馬と大金を賭けた勝負をする。いやー、采女宗馬、バリバリの悪役道を走っているという感じ。
澪は「つる家」の料理人として、吉原「翁屋」のあさひ大夫と面会する。
こちらのシーンはしみじみと過去の経緯など思い出したりして、ああ、この二人は幸せになって欲しいなあ、それぞれの幸せを追求してほしいなあと思った。
行方不明だった息子と対面が叶った芳は、新たな自分の幸せを追求できるか…。
葛飾北斎がモデルなのか?という絵師・辰政が登場。
澪と芳の住む長屋のお隣さんであり、「つる家」での同僚でもある、おりょうの息子の太一の絵の才能についても気になる。進展はあるのだろうか。
物語がどんどん動いていく。
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一昨日、デパートの地下食料品売り場で予約し、求めたものは…。
山形「やまり菓子舗」の栗蒸し羊羹である。
「六代目 栗蒸しようかん」!
予約受け取りの場所で、お店の方がこちらを取り出した時に、
横の部分を見て(上の写真参照)、思わず「え、そんなに栗が入っているんですか!」と言葉が出てしまった。いや、驚きますよ、こんなに入っているなんて。
帰宅後、早速。
菅野一美氏の黒掻き落とし八角皿。羊羹で隠れているが「止まってる鳥」が描かれている。
うーん。美味しい。気が付くと食べ終わっていた。
もっと気を付けて、ゆっくり味わって食べるべきだった…と反省。
そして、昨日は「大きく切ればすぐになくなる」と若干薄めにカットした。
脇山さとみ氏のお茶碗とお皿。両方ともウサギが描かれている。
9月29日は「十五夜」なので…。
この栗は茨城県産とのこと。大きい!
餡は、吉野本葛、栗蜜を合わせた自家製のものだそう。
甘味が自然というか、優しいというか、美味しすぎる。
餡と栗の食感の違いとその量のバランスが何とも言えない。