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みをつくし料理帖(1) 八朔の雪

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少し前に読了。

テレビドラマ化、映画化もされ有名な作品である。
勧められて、読んでみた。

 

みをつくし料理帖(1)八朔の雪 (著)髙田郁

 

大坂で料理の修行をした澪が、江戸で一人前の料理人になるよう奮闘する物語である。いやあ、のめり込んで読んだ。

 

澪が働く「つる家」の主人・種市が腰を悪くする。

澪は、種市の腰痛の原因は、長い間の無理な姿勢が祟ったためではないかと推測する。(太字は本書からの引用)

 

種市は、板敷に座って中腰で蕎麦打ちをしていた。

 

澪が不思議に思う光景の一つに、江戸のおかみさんたちの炊事姿がある。俎板を板張りや畳において、座ったまま調理するのだ。流しを使う際も座ったまま

 

家庭では座って料理を作ることが一般的なようなので、「江戸では流し台の位置が、板張りと平行になるほど低かった」。

 

澪は、大坂では土間に立って料理していたので、座って調理することに馴染めなかったようである。

 

先日、出光美術館「江戸時代の美術 ─「軽み」の誕生」展を鑑賞した。

このチラシの真ん中に掲載されているのは、英一蝶の「四季日待図巻」の一部である。 

 

 

ちょうど、本書を読んでいるときだったので、料理をしている人々の様子が気になった。

 

左端に描かれているのは厨房だと思う。

畳に炉が切っており、座って鍋を見ている人も描かれている。

ここには掲載されていないが、縁側に腰かけて地面に置いた桶の中で鶏を捌く様子、畳敷きの部屋で、座って高くない机の上で魚をさばいている様子も描かれていた。

 

又、古山(菱川)師重の「吉原遊興図屏風」では、畳の上で座って魚を捌いている様子、立膝で漆器を拭いている女性、板敷部分に桶を置き、魚を洗っている人、なんと前屈のような姿勢で蛸を洗っている人も描かれており、これは腰を痛めるかもと思った。

 

基本的に座りながら調理をしている。なるほど。

 

澪には様々な困難が訪れるが、周囲の人々のバックアップもあり、乗り越えていく。

しかし…。

次の巻が早く読みたい!

 

******************

 

中島京子氏のエッセイ「小日向でお茶を」を読み、「とん蝶」というおこわが食べたくなった。

 

ちょうど家族が大阪出張とのことで、なんとなんとお土産に買ってきてくれたのだ。

 

 

これだ!エッセイにあったように「縦長の三角おにぎりみたいな形をしていて、竹の皮を模したアルミ箔張りの包装紙に包まれている」。

 

 

お皿に移し、少し温めてから食べた。

いや、美味しいだろう、これは!!

新大阪から新幹線に乗ることがあれば、駅でこれを調達し、車中でもぐもぐと食べて帰るのも良いなあと思った。


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