(昨日から続く)
ワシリー・カンディンスキー 「スウィング」 1925年 油彩/板
解説パネルにこうあった。
「絵画は音楽のように抽象的であるべきだ」という考えに基づいて多くの作品を残しました。
まさしく、楽しい音楽が聞こえてきそう。
ジュリアン・オピー 「声、足跡、電話」 2000年
タイプCプリント、マット加工のアルミフレーム
この作品はコンピューターを用いて描画しているそう。
写真ではない。
解説パネルによると、本展覧会の3点は「8つの風景」シリーズの一部だそう。
ビルの廊下を描いたような上の作品に魅かれた。
遠くから見ると写真のように見えるが、近寄るとデジタル加工されたものだと分かる。
ペー・ホワイト 「ぶら下がったかけら」 2004年 紙、糸
本展覧会には、このようなインスタレーション(空間芸術作品)も多く展示されていた。
こんな紙のパーツがぶら下げられている。
解説パネルによると、
ホワイトはこの作品について「抑制された動きの探求」であると説明しています。
うむうう。
このほか、
ジェームズ・タレル 「レイマー、ブルー」 1969年 LEDライト
解説パネルに「壁の後ろから青い光が放射されて、部屋の奥、中央に壁が浮かんでいるかのように見えます」とあったとおり、部屋に入っていくと青い光に包まれる。
神々しいような。
ジェームズ・タレルと言えば、金沢の21世紀美術館の「タレルの部屋」を思い出す。
リリアン・レイン 「液体の反射」 1968年
パースペックス、金属、水、流動パラフィン、モーター、電子部品、電気スタンド
回転する丸い盤の上にパースペックス(アクリル素材の一種)製の球が2つ置かれている。その球を電気スタンドが照らしており、影が壁に映る。その影が雪だるまのような形に見える。
私は回転する盤上の球ではなく、壁に映った影が近くなったり遠くなったりする様子に魅かれた。もしかすると、ずっと眺めていられるかも…。
解説パネルに「5年に及ぶ実験の結果この作品を完成させたのです」とあった。
オラファー・エリアソン 「黄色vs紫」 2003年
ガラス、スチール・ケーブル、モーター、フラッドライト、三脚
部屋の中央に、大きな円形のガラス板が吊り下げられ、回転しており、ライトで照らされている。
壁に映る像の形が大きくなったり、小さくなったり、無色、黄色、紫色と変化したり、像が増えたり…とにかく面白い。
展覧会の最後の作品は、オラファー・エリアソンのもの。
「星くずの素粒子」 2014年
ステンレス・スチール、半透明のミラー、ワイヤー、モーター、スポットライト
これは大変写真映えするインスタレーションである。
この球がくるくる回転して、反射する光がきれいである。
いやー、何だか盛りだくさんで満足であった。
連休の最終日、しかも高校生無料鑑賞日の最終日とあって若干人が多かったような気がする。
インスタレーション作品のうち、3作品は1時間おきの鑑賞時間が決められており、「作戦」が必要かも。
会期は10月初めまでなので、涼しくなってから平日に行ければなあ…。ぼんやり眺めていたい作品が多かった。
鑑賞を終え、ふらりと館内をめぐった。
さりげなく、廊下にハンス・J・ウェグナーの「ラウンジチェアCH25」が置かれている。
もちろん、しばし座って寛いだ。
外がとても暑そうだったので、館内地下の「カフェテリア カレ」でお昼ご飯を。
ヨーロッパの美術館に入っているカフェテリアっぽいオシャレなお店なのだが、私ったら「ビーフボウルセット」、牛丼と豚汁のセットにしてしまった。
ボリュームたっぷりで大満足であったが、オシャレ度は低かった。
オラファー・エリアソンの「星くずの素粒子」。最後の展示作品だった。
ジョン・ブレットの「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡」。
本当にきれいな作品だった。
外に出ると、本当に暑く、いつもならあっという間に着く東京ミッドタウンにたどり着くまでが長く感じられた(途中で地下道に潜ったが…)。