出光美術館に行ってきた。
1月8日に「江戸絵画の華〈第一部〉若冲と江戸絵画」展を鑑賞した。
待望の第二部、「京都画壇と江戸琳派」である!
今回も日時指定予約制であるが、前回と比べると人が多いような。
感染者数も減ってきているし、条件が緩和されているのかなと思った。
展示室に入って、大きな屏風の作品に圧倒された。
まずは、円山応挙、円山派の画家たちの作品からである。
「懸崖飛泉図屏風」 円山応挙(寛政元年、1789年)四曲・八曲一双 紙本墨画淡彩
解説パネルに、4枚折と8枚折のペア作品は珍しく、注文者の部屋のつくりに合わせたのだろうと書いてあった。展示も並べてではなく、「Ⅼ」を上下ひっくり返したような配置になるよう展示されていた。
とても静かな雰囲気の素敵な屏風。
「夏冬白鷺図屏風」 山口素絢 (江戸時代) 六曲一双 紙本銀地墨画
山口素絢は、円山応挙の門下である。
銀地に水墨で描かれている、各155.1×354.6の大きな作品で迫力がある。
左隻に描かれた雪の積もる木の枝にとまる鷺。寒さに耐えようと「フンッ」と気合を入れているように見えたり、にこやかな表情にも見えたり…案外、無表情だったして…などと考えて鑑賞。
「撫子に蜻蛉図」 亀岡規礼 (江戸時代) 絹本着色
父親とともに応挙の門人だったそう。
様々な色の撫子がS字のような曲線に配置されて描かれ、とても美しい作品。
そして、江戸琳派、その流れをくむ画家の作品へ。
「秋草図」 鈴木守一 (江戸時代~明治時代) 絹本着色
鈴木其一の子である守一は明治時代まで活躍したのね、と何だかしみじみしてしまった。
本作品は、描表具の作品で、風帯の間に黒アゲハが描かれており、素敵。
秋海棠、萩、野葡萄などなど様々な秋の植物が描かれ、美しい色合い。
「四季草花図・三十六歌仙図色紙貼交屏風」 酒井抱一 (江戸時代) 六曲一双
屏風/紙本金地着色、色紙/絹本着色・墨書
屏風が金地ということもあり、とても目を引く作品。何といっても酒井抱一!あくまでも美しい。歌仙を描いた色紙も素敵だが、屏風に描かれた四季それぞれの様々な草花の美しいこと。うっとり。
「十二か月花鳥図」 酒井抱一 (江戸時代) 十二幅対 絹本着色
解説パネルによると抱一には文政6年(1823)の年記を持つ宮内庁三の丸尚蔵館の一揃いを筆頭に、現在、6組の「十二か月花鳥図」が知られているとのことだ。それぞれ違うらしい。
近くで鑑賞されていた方が「これをカレンダーにしたら買うのに」というようなことをおっしゃっていたのを聞いて、納得。絵葉書があったら12枚揃えて、月ごとに飾ったら素敵~とショップに行ったら、絵葉書は無かった…。
「青桐・合歓図」 鈴木其一 (江戸時代) 双幅 絹本着色
解説パネルに「季節や時間の推移と気象の変化を強調し、俳諧的な情緒を盛り込もうとするところに個性を光らせた」とあり、う~ん、さすが解説パネルと唸ったのであった。
本作品は「青桐の大きな葉と合歓の木の控えめな小葉と丹紅色の花に驟雨が降りそそぐ」様子を描いたもの。淡い色調で優し気な作品で大変魅かれた。
縦長サイズの絵葉書がショップにあったので求めた。
並べて飾りたいと思っている。
解説パネルには、どちらも夏の植物で、同系の色彩で仕上げてあり、分かりやすいコントラストを避けていると書いてあった。「わかりやすいコントラストを避けている」というのは確かにその通り。しかし、これは一対の作品で、一対であるから何か物語を感じるのだなあと鑑賞。良いなあ、其一(新しいパソコンになって、ATOKを入れていないからか、「きいつ」と打っても、其一と変換されないのが何気にストレス。早く賢くなって欲しい)。
「蘆に蛇図」 鈴木其一 (江戸時代) 絹本墨画
晩年の作品だそう。左に蘆、右に蛇が墨で描かれ、妙に魅かれた。
写真撮影コーナー。第一部と同じだと思う。
ロビーから見える景色。
天皇誕生日の一般参賀に向かう人々の列が見えた。
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美術館を後にして向かったのは、一保堂茶舗「喫茶室 嘉木」。
今日の和菓子は、目黒区の「太市」というお店のもの。
「下萌」というお菓子。玉露で。
同行者はお抹茶と、「丸窓」というお菓子。
今日は窓際の席だったのだ。
これがまた美味しい(半分もらった)。
ぽち、ぽちと茶色く見えるのがお味噌のような味がして(もしや、「大徳寺納豆?」、それが良い感じのアクセントになっている。
この「太市」。私の和菓子の教科書である「一日一菓」にも掲載されている。
予約注文のみのお店のようだ。
一般の予約注文も受け付けてくれるよう。最寄り駅は洗足、西小山。うむ。