5月3日に水戸を訪れた第一の目的は、こちらである。
「若冲と京の美術 -京都 細見コレクションの精華-」展。
京都の細見美術館は、私の憧れである。
現在、細見美術館は「つながる琳派スピリット 神坂雪佳」展を開催中である。
ああ、神坂雪佳・・・良いなあ、行きたいなあと細見美術館のWebサイトを見ていたら、おおおお!
「巡回情報」として、「パナソニック汐留美術館 (東京) 2022年10月29日(土)~12月18日(日)」とあるではないか。
これは楽しみである!
さて、本展覧会は、伊藤若冲の作品16点と、若冲を育んだ京都の歴史や文化を伝える美術品が展示されている。
若冲の鶏。
とりあえず2箇所発見した。こういう演出に気分が盛り上がる!
こちらは、本展覧会のチラシの一部である。
浮田一蕙「やすらい祭・牛祭図屏風」 (江戸後期 六曲一双 紙本著色)
「やすらい祭」というのは、鬼の扮装をした子どもたちが練り歩き、踊ったりするお祭のようだ。
このほか、京都のお祭を描いた作品がいくつか展示されており、面白いと思ったのは、
小澤華嶽「ちょうちょう踊り図屏風」(江戸後期 六曲一隻 紙本著色)
解説パネルによると、「ちょうちょう踊り」は天保10(1839)年の3月~4月に京都で大流行した仮装踊りとのこと。「集団で揃いの装束、または様々な人物、動物に扮した格好で熱狂的に踊られた」そうだ。
絵を見ると、お揃いの赤い衣裳で踊っている人々、犬の扮装、なぜか柄杓を持ったカエルの扮装、カタツムリの扮装は何だかナメクジが殻を引きずっているように見える。
大根、傘、灯籠!
人々は楽しそうというより、陶酔したような表情。うむ・・・、こういうの見てみたい。
「撫子図屏風」(江戸前期 六曲一隻 紙本金地著色)
解説パネルに「草花の種類を限って屏風一面に描き、その花や季節にちなむ和歌を短冊や色紙、あるいは直接記した絵屏風」と説明があった。
この屏風の場合、上部に和歌が書かれ、下部に撫子が描かれている。金地に撫子の様々なピンク、葉の緑がとても効果的に配置されていた。とても洗練された雰囲気。
冷泉為恭「四季花木図屏風」(江戸後期 六曲一隻 紙本淡彩)
右から、梅が咲く庭、縁先に急須(多分)が置かれている様子、次に松に絡まる藤、早苗の植わった水田、そして紅葉、最後に雪中の杉が描かれている。
人物は描かれていないが、つい先ほどまで人がいたような気配。
チラシ中央の神坂雪佳「四季草花図」(大正後期 双幅 絹本著色)がなかなかビビッドな色合いで良かった。
同じく 神坂雪佳の「御所人形図」(大正時代 一幅 絹本著色)も良かった。表装もとても良い。
私の大好きな中村芳中の作品も出ていた!「朝顔図」(江戸後期 一幅 絹本著色)
朝顔と雌日芝が主題の作品。朝顔の色も良い。
伊藤若冲「仔犬に箒図」(江戸中期 一幅 紙本墨画)
この作品に描かれた子犬がチラシに登場していた。
出品目録に「子犬の顔がコワい」とメモ書きしてあった・・・。確かにちょっとコワい。
伊藤若冲の作品は、様々な作風のものが展示されていた。
2016年の東京都美術館の「若冲展」では(人が多くて)近寄れなかったような作品が、ほぼ私一人独占で見らた。しかも、作品によってはかなり近くで鑑賞でき、単眼鏡が不要なほどだった。
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駅ビル「エクセルみなみ」の「IBARAKIあじわい市」コーナーであれやこれやとお土産を見た。
これを買っている人を見かけたので、私も購入してみた。
「そぼろ納豆」とは、納豆と切り干し大根を合わせて醤油などに漬け込んだ水戸の伝統的な総菜のようだ。
早速食べてみると、しゃきしゃきした切り干し大根の食感と、ねっとりとした納豆の食感の違いが何とも美味しい。これは良いお土産になった。