本日は、大倉集古館に行ってきた。
企画展「人のすがた、人の思い ー収蔵品にみる人々の物語ー」を鑑賞。
鶴岡蘆水「両岸一覧」(江戸時代・天明元年(1781)) 2巻
現在は大英博物館に所蔵されている狩野休栄の「隅田川長流図巻」をもとに版画として製作されたものだそう。
この作品は隅田川の両岸の様子が描かれている。川に浮かぶ舟、岸辺のお屋敷、商店、集う人々、お祭りの情景も描かれていた。
原美術館ARCの円山応挙の「淀川両岸図巻」、東京国立博物館の「伊勢路見取絵図 関、楠原、椋本、久保田、高田・一身田、津:香良洲」のように川の両岸や街道の様子を描いていく作品が大好きである。
「江戸名所図会」 斎藤長秋・莞斎・月岑編、長谷川雪旦・雪堤画 (江戸時代・天保5、7年(1834、1836) )9冊
私は「江戸名所図会」が大好きである。白山神社を「国立国会図書館デジタルコレクション」で検索して以来、神社などを検索している。
「生麦村 しがらき茶屋」のページの展示には「梅漬けの生姜が名物」という説明があった。
縁台がたくさん描かれ、売られている食品はバラエティーに富んでおり、現代でいうフードコートのよう。
長谷川雪旦「江戸名所図会挿絵草稿」(江戸時代・19世紀) 1巻
これは「江戸名所図会」の下絵である。
「浅草雷門」の部分には朱色で修正指示など記入されており、その隣に完成品である「江戸名所図会」の「浅草雷門」が展示されており、見比べると大変面白かった。
英一蝶 雑画帖「布袋図」(江戸時代・17世紀)
三宅島に流された英一蝶が58歳で江戸に戻るまでに描いた作品を集めた「雑画帖」だそうだ。
この作品は、布袋さんが袋の中に入って眠っているところを描いたもので、解説パネルに「袋の中で穏やかな眠りを得た布袋の姿」と書かれてあり、ふうむ、なるほど。「穏やかな眠り」、確かに!と思った。ふんわりとしたやさしい作品。
久隅守景 重要文化財「賀茂競馬・宇治茶摘図屏風」(江戸時代・17世紀 )6曲1双
久隅守景と言えば、東京国立博物館所蔵の国宝「納涼図屏風」を思い出す。
夕顔棚の下、親子3人が敷物の上でユルい雰囲気で涼んでいる様子を描いてる作品である。
本作品を見たときに、私が久隅守景に対して持っていた「ユルい」印象が崩れた。
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大倉集古館の近くにはいくつか美術館がある・・・・
菊池寛実記念 智美術館は、施設改修工事による長期休館中であるが、カフェ「茶楓」は営業中ということで行ってみた。
門を入って、すぐに見えるのが「西洋館」。大正時代に建てられたもので国の登録有形文化財らしい。
これが、美術館の入っているビルである。
1階にカフェ「茶楓」がある。
窓際の素敵な席に案内され、このようなお庭が目の前に見えた。
洋館も見える。
私がお願いしたのは、「茶楓のようかん 黒・白・彩(黒糖ラム・白餡クリーム・干果物)」
「白餡クリーム」ようかんは、ブラマンジェのような食感。
「黒糖ラム」ようかんは、ラムの香りと味が効いていた。
同行者は「珈琲と ひとくち甘味」。
メニューに「作家ものや縁の窯元の器を使用したセットです。器との一期一会をお楽しみください」とあり、(私がオーダーしたわけではないが)わくわくと待っていた。
こ、これは!
隆太窯の「唐津粉引湯吞」ではないか!!
あこがれの作品である。画像でしか見たことがなく、実物が見たいと思っていたが、こんな形で遭遇するとは!(といっても、同行者のオーダーだが)
思っていたより艶やかな感じ。とても可愛らしい。
いいなあ~。