読了。
図書館で、表紙が気になって借りた。
江戸の町民たちの日々を描く短篇集。
福袋 (著)朝井まかて
衣装についての記述が気になった。
それは、「お江戸ファッション図鑑」を読んだばっかりだったからかもしれない。
「莫連あやめ」は、この文章から始まる。(太字は本書からの引用)
着物って、おしゃべるだよね。
なぜって、身分や生業なんて一目瞭然でしょ。でもって、そのひとの景気とか身の上とか、人柄だってわかっちまう。
主人公・あやめは母親と古着屋を開いており、友だちのおそのちゃんと店番している。おそのちゃんが「あのお兄さんは」と聞くと、
「着物も羽織も信州上田縞かあ。ってことは、羽振りのいい商家の若旦那。でも着こなしに粋が足んないから、成り上がりの二代目だね、あれじゃあ、呉服屋のいい鴨だ」
と答え、道行く人々の衣装の解説と、職業などを当てていく。
江戸時代は「お江戸ファッション図鑑」を見て改めて感心したが、髪型、衣装は身分などによって細かい決まりがあった。
見る人が見るとよく分かったのだろう。まあ、現代でもそうか。
又、「暮れ花火」では、深川の芸妓・美代次についてこう書かれている。
化粧はごく薄く、着物も派手派手しい赤を避ける(中略)。美代次は切れ長の、いかにも勝気そうな顔立ちで、辰巳芸者らしく、この真冬にあっても素足だ。
おお。「お江戸ファッション図鑑」にあったように、真冬に素足が粋なのだ。
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昨日、撮影。
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いつもより早めに春物を出しているが、まだ、少し厚手のものも残している。
今年はこのまま初夏に突入するのだろうか。