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草々不一

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読了。

先日読了した「福袋」と表紙の雰囲気が似ているので、てっきりシリーズ物かと思って図書館から借りた。

 

『福袋』が江戸の町民たちの日々を描いた短篇集、こちらは武士たちを描いた短篇集だった。

 

草々不一 (著)朝井まかて

 

厳密な身分制度でがんじがらめの武士の世界、いやあ、大変そうだ。

しかも、武士と言っても、裕福であるとは限らない。

 

イラストでよくわかる 江戸時代の本」や「幕末下級武士の絵日記」にも、当時の武士の大部分は仕事がなく、余暇・・・というか、とにかく時間が有り余り、それでお金があれば良いだろうが、もちろん、仕事がないのでお金もない、それで内職に精を出す・・・というようなことが書かれてあったが、本書の短編『青雲』では、職探しのシーンが描かれており、いやあ、大変そうと思った。

 

『青雲』に、主人公が仮髪を拾うシーンが描かれていた。(太字は本書からの引用)

 

頭髪が薄い男は世にわんさかといるが、とくに武家は仮髪を使う者が多い。禿頭のままでは医者や坊主衆と紛らわしいうえ、とかく装いには細かな決まりがある。(中略)市中では時々、それが落ちていて、猫がへっぴり腰で近づいては叩いたりしている。

 

いやあ、仮髪!かつらがポピュラーだったとは!

 

旗本の四男で「部屋住み」、つまり無職だった主人公が格上の家に婿入りした『蓬莱』、妻を亡くした隠居の「没字漢」侍が手習い塾に通う『草々不一』は、心温まる物語で、再度読み直した。

 

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近所の緑道の様子。

 

 

昨日、図書館に行くときに撮影。

 

 

緑道の主役が、桜から変わっていく様子が分かる。

 


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