先だって五島美術館の「館蔵 茶道具取合せ展」を鑑賞して、茶道具に使われた布のスクラップブックである「名物裂手鑑」、「裂手鑑『名物切鑑』、「名物裂手鑑『切鏡』」などに大変魅力を感じ、このギャラリートークは、ぜひとも聴講したかった。
最初に、講師の方が会場に向かって茶道の経験について尋ねられた。
沢山の手が上がった。
その様子を見て、茶道をされている方ならご存じのことも多いだろうから(知識の)確認と思って聞いて下さい、といったような事をおっしゃった。
実は、私は高校3年間必修クラブが茶道部だったのである(今は「必修クラブ」って無いのですね)。
私はこの必修クラブで色々「やらかし」ていて。いやあ、茶道は覚えることが多く、そして奥が深く、私には非常に難しかった・・・・とボンヤリ思い出していていた。
今回は、「茶入れの袋」、「床の間の掛軸の表装」についてのお話だった。
「そういえば、茶入れの袋の開け方とか習ったような・・・、たしか手にとって眺めたような?!」
「掛軸は、床の間のこの辺に座って眺めたっけ・・・」と遠い目になってしまった。
週に1度の必修クラブであるが、3年間も習ったのにこの程度しか覚えていないとは。
と、言うことで、今回の「ギャラリートーク」も、私にとっては初めて聞くことが多かった。
勉強になりました。
色々メモしたことを復習がてら書きますが、あくまでも私のメモです。
間違いについては、ご容赦ください。
☆ 茶入れ相当の大きさの名物裂の値段について
「珠光緞子」・・・米価から換算すると約450万円、大工さんの手間賃から換算すると約2400万円。
「青木間道」・・・米価から換算すると約210万円、大工さんの手間賃から換算すると約1120万円。
この値段で売買されていたというより、「格付け」のための値段と考えた方が良いかもしれないとのこと。
いずれにせよ、高価なものであるし、このような名物裂は、お茶会に出席しないと見られないものであったので、庶民には縁のないものだったのかも。いや、お金持ちでもなかなか手の届かないものだろう。
なので、小さい布地をスクラップした名物裂の「手鑑」が作られたわけだろうな。
ふむふむ。
☆ 名物裂の主な種類
金襴・・・綾織り、繻子織りの地に金糸を織り込んで模様にしたもの。(金糸の作り方も初めて見た)全体の約70%
緞子・・・先染めの絹糸を使った繻子織り(綾織りもあり)全体の約20%
間道・・・縞模様、平織り。全体の約10%
※当て字が多いのは外来語だそうだ。なるほど!!
☆ 掛軸の表装
本紙に近い布が一番貴重な布(古くて良い布)と覚えれば良いようだ。「一文字」と「風帯」。
ふむふむ。
☆ 露
風帯の先に付いている房は「露」という・・・と聞いて、「あ、そうか、そんなのあるなあ」と初めて認識した。
講義の終わった後、もう一度展示室に見に行って復習してきた。
☆ 表具の取り合わせ
『槐記』という文献に、「筆者がどのような服を着るか考え、それに相応する布を使う」といったことが書かれているようだ。
例えば、筆者が16世紀の人なのに13世紀の布は合わない、時代を合わせる、とか、筆者がお坊さんだったら袈裟のイメージで布を選ぶ・・・という感じだらしい。ふむふむ。
※絓(しけ)糸・・・節がある糸。繭の外皮、玉まゆ(中に2頭(以上?)の蚕)。絓糸で織った布は節があるので分かる。
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ずーっっっと前から、気になっていたお店でお昼ご飯を食べた。
上野毛駅から五島美術館に行く途中にあるサンドウィッチ屋さんである。
一見、無造作に作られているように見えて、かなり美味しい。
サンドウィッチはローストビーフにしたが、柔らかくサッパリとした美味しさ。サラダも美味しかった。レタス、合わせたリーフ類の素材が良い?!ピクルスも香料に凝っていたような・・・・。
コーヒーはお代わりできるし、満腹になった。
次は、こちらのチーズケーキが食べたいかも。