読了。
どこかの書評欄で紹介されていて、興味を持った。
ニートの歩き方 (著)pha(ファ)
著者は、ニートを称していらっしゃるが、どうだろう。「高等遊民」という言葉が浮かんだ。
検索すると、高等遊民として著者を紹介しているサイトもあった。
いや、既に数冊も出版しているし、立派な「文筆業」なのではないかと思う。
☆ メモ ☆(太字部分は本書からの引用)
お金をあげたりもらったりする際に大事なのは、「あげたほうがあまり威張ったりしない」ということだ。(中略)「もらったほうは感謝の気持ちを忘れない」ということだ。お金をもらったからといって卑屈になる必要はないけれど、「この人にお金をあげてよかった」って思ってもらえるくらいには気を遣おう。「嬉しそうにする」とか「美味しそうにごはんを食べる」とかその程度でいいと思うけど。
・・・なるほどねえ。こういうことが分かっている人はニートではないような。結局、働いて賃金を得るには、「この人にお金をあげてよかった」と思ってもらうということではないか?
良い居候生活を送るためには、居候力を高めることが必要だ。居候力とは「家事をきっちりこなす」とか「いても邪魔にならない」とか「なんだかこの人が住んでいると楽しい気がする」とか、そういう力のことだ。
・・・「家事をきっちりこなす」能力がある段階でニートではないような気がする。この家事ができる人というのは、かなり貴重で、その技術がある人は、家事代行の職に就けたり、清掃の仕事に就けたり、もしかすると、かなり頑張れば「家庭料理研究家」とかになれたりする可能性がないだろうか。
食は生活の基本だ。自炊ができるかどうかでニート生活の質はかなり変化する。別にニートに限った話ではなく、(中略)お金持ち以外は、みんなある程度の自炊能力(中略)を身につけておくべきだと思う。
・・・この後の文に、自炊しないニートはインスタントラーメンが多いとか外食のチョイスが牛丼とかそばが多いので、健康的でないし精神的にも滅入る、自炊すればそれらと変わらない値段でちゃんとしたものが食べられると書かれてある。まあ、そうだよねえ。
そして、お料理の参考に「クックパッド」を紹介しているのは頷ける。が、「オレンジページ」、「レタスクラブ」なんていう主婦向け雑誌も紹介している。30代独身男性でこれらの雑誌を知っているとは・・・スゴイ。
本書には、多くの書籍が紹介されているが、「ニートのためのブックガイド」の部分に、「文章を読むことと書くことを自分の日常に取り入れられれば、自分の中に豊かな世界を作り上げられる」と書かれてあり、まあ、こんなこと書く人は、真性のニートじゃないんじゃないか・・・と思う。このブックガイドで気になったのは、
『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(西原理恵子 著)
『社会学入門 人間と社会の未来』(見田宗介 著)
『そうだったのか!日本現代史』(池上彰 著)
この3冊は読みたいかも。
人間、やっぱりある程度、自分で責任を持って何かに向けて努力したり、自分の人生をなんとか変えようと計画を立てたり、そういう前向きな未来に対する何かがないとしんどいんじゃないか、と自分の経験を振り返ったり、周りのニートを見ていて感じる。
これは「ニートにも向上心は必要か」という部分に書かれていた。
そうだよなあ。これは誰にでも当てはまるなあ。
漫然と生きているより、「何かに向けて努力」は必要だよなあ。