読了。
66歳、家も人生もリノベーション (著)麻生圭子
麻生圭子氏が京都の町家に住んでいた頃のエッセイを読んだことがある。その後、イギリスに転居され、帰国後琵琶湖のそばを住まいとされ、古い建物をリノベーションして現在も暮らしていらっしゃる。
現在のお住まいの様子は雑誌、住宅メーカーのweb記事などで拝見しており、素敵だなあと思っていた。
本書では、お家を見つけ、リノベーションする過程、猫ちゃんとの暮らしなどについて書かれていると同時に、ご自身が患っている難病「若年発症型両側性感音難聴」についても書かれていた。
月日とともに耳が聞こえなくなる病気で、何年もまったく聞こえない状態で過ごしていらっしゃったようだ。
人工内耳の手術を受け、かなり音や声が聴こえるようになったとのこと。
そのあたりの記述には、思わず姿勢を正して読んだ。
ご自宅には、水路があって(この水路に大変憧れる)、芝生の素敵なお庭がある。
本書の写真を見てうっとり。
現在ではこの水音も、鉄琴「グロッケンシュビール」に似た人工音で聞くことができるそうだ。人工内耳で認知する音は自然と音と違う。
また、著者夫婦と暮らす猫ちゃんたちのお話も楽しいだけではないストーリーがあり、所謂野良猫についても考えた。
そして、施設にご入居の高齢で車いすでお過ごしのお母様が、普段の生活も人の手を借りている介護状態であるが、コロナの期間中、お部屋の観葉植物を自らお水をあげて育て、感染状態が一息つき、著者がお見舞いに行った時に、観葉植物が大きく育っていたことに驚いたエピソードについては、色々と考えさせられた。
考えさせられる内容も多かったが、琵琶湖周辺の自然、お住まいの内、外の美しいお写真なども多く、うっとりと湖畔での暮らし方にも思いを馳せたのである。
***************************
間もなく、店舗移転のため閉店する割烹。
こちらで味わうのは今回で最後…とランチを楽しんだ。
憶えておきたいもののみメモ。
北海道のうにだそうだ。
これに少しかけると美味しいという、まろやかなお醤油を出していただいた。
そのままでも十分美味しかったが、その「まろやかなお醤油」をかけると、本当に味が変わってびっくり。
ぐじ(甘鯛)、枝豆の生麩、松茸のお吸いもの。
美味しかった~。
前回に引き続き、長良川の鮎。
きゅうりやオリーブ油などが入った酸味のあるペーストでいただく。
野菜の天ぷら。ころころっと手前に2つあるのがホップ。
え、ホップってあのビールの原料の?確かに何とも言えない苦みが美味しい。
後味が何だか爽やか。鮎もホップも大人の味・苦みが美味しい。
これは、お願いして出していただいた「うざく」。
こちらのうざくはやっぱり美味しい。
このほか、「夏ふぐ」(ふぐと言えば冬だと思っていた)、白ばい貝、山わさびを少しつけて食べる 桃のスープ、ビーフシチューに入っているようなお肉などなど色々と出していただいた。
最後は、鯛茶漬け。
鯛のお刺身にのせていあるペーストは、ごま、くるみ、カシューナッツなどが入っているようだ。確かに。まろやかな感じ。技アリ。
これは「夏ふぐ」の煮凝り。
最初はお刺身にペーストを付けたり、また、ふぐの煮凝りなどでご飯をいただいて、その後、お茶漬けに。このお出汁には煎茶が入っているそうで、うむふむ。
そして、デザートにはビックリ!
大将がおもむろに取り出したのは、なんとお店にあるような立派な電動のかき氷機!
え、そんな器具までお持ちだったのね…。
まさか割烹でかき氷をいただくとは。
この下に甘くない粒あんが仕込んであるのだ。
上から「カリブ」というサトウキビの搾り汁を精製したシロップをかけていただく。
大将曰く、シロップは上から下に流れて下に溜まる、よって粒あんには砂糖は入れていない、とのこと。なーるほど。
いやあ、こちらの割烹はオーブン直後の昨年の1月頃から月に1回ほどのペースで大変楽しく、美味しい時間を過ごさせていただいた。
移転後のお店を訪れるのも楽しみである。