読書記録の前に、美味しい物の記録。
三重県に帰省し、伊勢神宮にも参拝した。
赤福、五十鈴茶屋でお買い物。
冬至のお菓子「一陽来福」、赤福の2個入り、待望の「ほうじ茶」。
赤福の2個入りは包装が魅力的なので購入。
黒文字付き。
お店のイラスト。
しっかりとした包装なのである。
すごい!!赤福が美しい状態で入っている!!
これは、感染症の心配がなくなったら、帰りの新幹線でお茶、というのに良いかも。
今回は自宅で。
そして、宇治橋のイラストの箱に入っていたのが、
冬至の限定菓子「一陽来福」。
説明書きに、「一陽来復の「復」を「福」とあて、皆様に幸多かれと、祈りを込め調製いたしました。」とあった。これには「かぼちゃ羊羹」と「かるかん薯蕷」の2種類が入っていた。
冬至の今日、お茶タイムに。
まずは、「かるかん薯蕷」
刻んだ柚子の皮が入っており、柚子の香りがして美味しかった。
次に、「かぼちゃ羊羹」。こちらはお抹茶と。
2層になっている。緑色と黄色。かぼちゃ!
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今回の帰省は、新幹線を利用ということで、乗車のお供として本書を選んだ。
55歳からのハローライフ (著)村上龍
本書の「単行本版あとがき」によると、本書は、新聞連載で中篇小説ということで、「中篇」ならではの大変さがあったらしい、その上、(太字は本書からの引用)
主人公たちが、みな人生の折り返し点を過ぎて、何とか「再出発」を果たそうとする中高年で、しかも「普通の人々」でなければいけなかった。体力も弱ってきて、経済的にも万全ではなく、そして折に触れて老いを意識せざるを得ない、そういった人々は、この生きづらい時代をどうやってサバイバルすればいいのか。その問いが、作品の核だった。
私はフリーランスワーカーなので、定年がない。複数の仕事をしているので、それぞれの調整が難しい。
数年前から仕事を「どのように終わらせるか」を考えていたが、最近は「どのように続けるか」を考え始めた。
本書の主人公たちは、私とほぼ同年代、本書が大変気になったのである。
本書の5つの物語は、巻末の「解説」に、
54歳で離婚した主婦、ホームレスになった中学時代の同級生、早期退職したものの再就職に苦労するサラリーマン、夫よりも大切なペットを失った女性、トラックドライバーの老いらくの恋
と、ストラテジストの北野一氏により上手くまとめられていた。
「キャンピングカー」の主人公、「早期退職したものの再就職に苦労するサラリーマン」は、会社の営業方針の転換に馴染めない、そして早期退職優遇制度の特別加算金が魅力で、妻の賛成も得られ、退職。
主人公は、退職金の特別加算金で、キャンピングカーを買い、妻と日本全国を旅することを密かに計画して楽しみにしていたのだが、結局、妻から断られ、再就職を決意するが・・・という物語である。
どうしてこの主人公は妻と旅行することを、妻には秘密で、勝手に計画するのだろうか・・・。
この部分を読んだ時に、本書の他の作品「結婚相談所」にこうあったことを思い出した。
結婚相談所を通して様々なお見合いをした主人公の述懐である。
「恥ずべきなのは、相手の人格や気持ちを無視して自分のことだけを考え、喋る人間たちだ」
ふむふむ。なるほどねえ・・・そういう人が多いか・・・。
「キャンピングカー」を読み進めていくと、若い心療内科医のセリフにこうあった。
たとえ夫婦や親子でも、その人特有の時間というものがあって、それは他の人間には勝手にいじれないものなんです。会社ひとすじに生きてこられた中高年の男性に多いのですが、(中略)日本の会社にありがちな、従属と庇護という関係性の中では、他人を、対等な別個の人格として受け入れる訓練ができていないことが多いんですね。誰でも自分の時間を持っているという、気づきですが、それは、人間にとって本質的で、一種の事件なので、人によっては、一時的にですが、精神が不安定になることがあるんです。
えええ・・・そうなのか。
ちょっとびっくり。「他人を、対等な別個の人格として受け入れる」ことが出来なければ、例えばサークル活動などでも上下関係を作ろうとするのだろうか。これはつまらないだろう。
同じく定年退職した後の男性を描いた、内舘牧子氏の「終わった人」を思い出した。
いずれにせよ、40年近く続けてきた仕事、会社を第一にしてきた生活を終えることは、生まれ変わるくらい大変なのかもしれない。
私は、ソフトランディングを目指したいなあ。