読了。
グランドシャトー (著)高殿円
久々の高殿円作品!と思ってブログを検索したところ、2018年8月の「トッカン 徴収ロワイヤル」が最後の記事だった。
え?「政略結婚」も読んでいるぞ。どうして書かなかったのだろうか。
これは、幕末、明治・大正、昭和の時代の3人の女性の生き様を描いた作品で、惹きつけられるように読んだ。
物語に「等々力の洋館」が出てきて、身近なところだったので、「えっ!どこだ?」と思った・・・と思ったことを覚えている。
さてさて、本日読了した「グランドシャトー」は、高度経済成長期に大阪・京橋のキャバレー「グランドシャトー」で働き出したルーという女性の物語であるとともに、「グランドシャトー」のナンバーワンの真珠という女性の物語である。
真珠は、出世のためには、部下や同僚を裏切らなくてはならない時があり、周りからどう思われているのかと思うと気鬱になるという客の悩みを話されると、
「やさしいひと」と一言。そして、
「やさしいひとのことは、やさしいひとにしかわからへんもんよ」と返答する。
主人公のルーがこの返答を聞いたとき、「体の内側に弱い電流のようなしびれが走るのを感じ」を受けた。確かに・・・なかなかこんな返答はできないと思う。
そして・・・・
会社の金を横領し、高利貸への借金もあり、家族とも故郷とも縁を切ったという客の話を聞いた後、真珠はこう言う。
「何もかも捨てたら、最後に自分を棄てることになる。捨てるものがあるうちに、自分を大事にしてや」
と言ったら、その客は翌日、警察に出頭した。
うーん。「捨てるものがあるうちに、自分を大切にする」か。これもなかなか言えないぞ。
物語を読みながら、このナンバーワンの真珠という女性は、いやあ・・・・何というか・・・スゴイ人だなあ・・・と感心した。
と、主人公のルーの前向きな様子を読みつつ、この真珠に感動し、ぐいぐいと読んだ。
久々の「一気読み」であった。
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マスクを付け、無言でウォーキング。
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チューリップ!可愛い!
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マーガレット。