今日は、品川のほうで仕事だったので、その帰りに三菱一号館美術館に行ってきた。
「画家が見たこども展 ゴッホ、ボナール、ドニ、ヴァロットン」である。
仕事の後ということで、一休みしてから鑑賞したいと思い、「cafe1894」を覗いてみた。
人気のカフェなので、席は空いていないだろうなあ・・・・と思いきや、なんと直ぐに案内された。
元・銀行の営業室だった空間をカフェとして利用。雰囲気が良い!
本展覧会のタイアップデザート「春色の小さなパンケーキ」をお願いした。
モーリス・ドニの『赤いエプロンドレスを着た子ども』の色合いをイメージしたものらしい。
展覧会の図録もあったので、コーヒーを飲みつつ「予習」。
ちなみに、私は「サポーター会員」なので、この1杯は無料なのである。
得した気分。
本展覧会は、19世紀末のパリで活躍した、印象派に続く世代の芸術家グループ「ナビ派」の画家がこどもを描いた作品を紹介している。
私のお目当ては、フェリックス・ヴァロットンである。
今回、版画作品が撮影可になっていた。
『にわか雨』(1894年 木版・紙 三菱一号館美術館所蔵)
この下の方に描かれているこどもの顔が何とも言えない。
「ん?何?」と思っているように見えた。
そして、『可愛い天使たち』(1984年 木版・紙 三菱一号館美術館所蔵)
これは、「フォトスポット」でも登場。
この中に自分も混じって写真を撮ったら面白かっただろうか・・・。
タイトルは『可愛い天使たち』だが、一人一人の顔を見ると、ちょっと・・・。
そして、解説パネルに「群れをなす子どもの中央にいるのは警官と連行される貧しい身なりの男性」とある。つまり、この子ども達はいわゆる野次馬、か。
ヴァロットンの作品は、版画の展示が多かったが、
油彩も展示されていた。
『公園、夕暮れ』(1895年 油彩・厚紙 三菱一号館美術館所蔵)、
『リュクサンブール公園』(1895年 油彩・カンヴァス 株式会社講談社所蔵)、
『エトルタの四人の海水浴客』(1899年 油彩・厚紙 ギャルリー・バイイ所蔵)
『公園、夕暮れ』は、18.5×48.5㎝の小作品であるが、使われている額縁のセンスが良い!濃い茶色の木目がそのまま生かされた太めの額である。
作品は、思ったより暗い感じに思ったが、公園で遊んでいる子どもや、付き添う女性たちののんびりした様子と違和感がなく、色々想像が広がる。騒々しくない感じか。
『エトルタの四人の海水浴客』は、これは明るい色合いだ!と目を引いた。
解説パネルに、海水浴を描いてあり「めずらしい」と書いてあった。
ふむ。
描かれている4人は恐らく家族か。両親と子ども2人の合計4人。
そのうち、顔が正面を向いているのは父親らしき男性1人のみ。
あとの3人は横を向いて表情は分からない。
が、悲しげな雰囲気はない。それは海の色がとても明るく描かれているからだろうか。
本展覧会は、フランスの「ボナール美術館」の全面協力を得ているとのことで、ピエール・ボナールの作品が多くあった。
ボナールは、日本の芸術から影響を受けているとのことで、解説パネルに「平面的で装飾的な画風」とあった。なるほど・・・。
ボナールの『パリ生活の小景』というリトグラフの連作は、非常に魅力的だった。
機会があったら、他の作品も見たい。