東京国立博物館で、長谷川等伯の『松林図屏風』を鑑賞して、本書が読みたくなり、早速、図書館に行って借りてきた。
本書は2012年第148回直木賞受賞作品だった。やっぱりなあ、と思った。
物語に非常に引き込まれ、久々に一気に読んだ。
等伯 (著)安部龍太郎
![]() | 等伯 上下巻セット 1,540円 Amazon |
本書に、主人公・長谷川等伯が牧谿の『観音猿鶴図』を見て、非常に感動するシーンが描かれている。検索すると、画像がヒットした。なるほど・・・。
東博で『松林図屏風』を見て、大変感動した。
遠くから見ると、大変繊細な絵のように感じたが、近寄ると、かなり素早く筆を動かして描いたものだと分かる。
激しいような、静かなような・・・。うだうだと囚われがちな細かな悩み事など、ふっと吹き飛ばしてくれるような。
本書を読んで、ああ、このような(ネタバレになるので書かない)背景をもって描かれたのなら納得できるなあ、としみじみ思った。
長谷川等伯の生涯をたどりながら、安土桃山時代の歴史も学べたような気がする。
本書には、狩野派の代表的な画家である狩野永徳が登場するが、物語を読んでいて2017年サントリー美術館の「転嫁を治めた絵師 狩野元信」のスライドレクチャーの内容を思い出していた。
狩野元信は、永徳の祖父にあたる。
元信が絵師集団「狩野派」の経営者として組織を大きくした。その際に絵画様式のマニュアル化を図った、などなどのレクチャーを受けた。
本書を読んで、なるほど、狩野派という組織の巨大さが「ああ、きっとこんな感じだったんだろうな」と納得できた。
組織として様々なマニュアルは必要だろう・・・・。
又、かなりの政治力も持っていただろうということも納得。
*************
本日、近くの公園で写した写真。
良いお天気だった。風もなく、楽しく散歩ができた。
開花していたのはほんの一部。
梅の美しい姿が楽しめるのは、まだ先か。