今日は五島美術館に行ってきた。
何だか寒そうな写真である。確かに寒かった。
久々に「美の友会月例美術講座」を受講してきた。
「美の友会」の更新手続きをし、「定期入館証」が新しくなった。色もオレンジ色かうぐいす色に。
まず、「肩衝(かたつき)」というのは、「形状が、肩がやや角ばっているタイプの茶入」とのことである。
鑑賞のポイントとしては、
形(なり)
比(ころ)・・・大きさ。8.5㎝くらいが標準。11.2㎝の「唐物肩衝茶入 銘 安国寺肩衝」で「巨大」とのこと。
土・釉薬の様子・・・釉薬が垂れている様子がポイントか。
底の作り・・・箆起こし(板起こし)か、糸切か。糸切の場合、(ろくろが)左回転か右回転か。
中国(唐物)のろくろは左回転で、日本は右回転だそうだ。
私は生まれて初めて知った!
五島美術館所蔵の「唐物円座肩衝茶入 銘 利休円座」の底は「糸切」で「大正名器鑑」という資料には「火中」(火災により焼かれている)の記録がないそうだ。
又、この茶入には、手瓶(手付)茶入の把手を取り去った跡があり、これは把手を取り去ることで肩衝に形状を変えたものだそうだ。
しかし、江戸時代の「乗邑名物記」という資料の「利休円座」の説明には、「火中」の記載があり、底の作りが「板起こし」とあるらしい。
箱書にある伝来と、この資料の伝来も一致しない個所があるようだ。
謎。
講義を聞いていると、「謎解き」要素が多くて大変興味深い。
まあ、何百年前のものであるし、資料の信憑性もあるし、色々難しいだろう。
又、「唐物肩衝茶入 銘 安国寺肩衝」は、細川幽斎・三斎父子から色んな人物の所有になったが、招かれた茶会で三齊が「持って帰っちゃった」ことで、再び三斎の所有になったようだ。その時の「ごめんなさい代」が黄金200枚とも500枚とも。
「黄金」ということなので、これは小判ではなく「大判」。
とてつもない金額かも・・・。
こういうエピソードが聞けるのもこの講義の魅力である。