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海峡を渡る幽霊 李昂短篇集

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読了。

 

引き続き、中国小説。

先だって読了した「沈黙の遺伝子」は、巨大都市ニューヨークと北京が舞台でSF。

こちらは、台湾が舞台、しかも少し前の時代の設定がほとんどで、「鹿城」という台湾中部の古都。

生きている人間ほか、「物の怪」が非常に重要な登場人物となっている。

何だか台湾らしい。

 

海峡を渡る幽霊  (著)李昂  (訳)藤井省三

 

本書には、初期~2005年の作品から、著者の希望の2作品を含む合計8作品が選ばれた短篇集。

人物の心情を描いた静かな作品あり、政治色の強い作品あり、お料理に関する風刺的な作品あり、と幅広い。

 

私としては、舞踏家の女性が十数年ぶりに故郷の鹿城に帰る物語「水麗」がしんみりと心に残った。この作品には、本書に掲載されている「西蓮」の主要人物も登場し、合わせて読むとさらにしみじみする。

 

中国史は学んだが、台湾史については教科書にもあまり記述がなかったように思う。

本書には、1947年に起きた「二・二八事件」と、その後の出来事とからめた作品が多い。

 

色々知っておきたい歴史があると思った。

 

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週末に散歩したときに撮影した春の景色。

 

 

緑道には、こんな様子が。

 

 

花壇も可愛らしく!

 


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