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老北京の胡同 開発と喪失、ささやかな抵抗の記録

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図書館の貸し出し期限が迫っていたので、焦って読んだ。

 

老北京の胡同 開発と喪失、ささやかな抵抗の記録 (著)多田麻美

 

 

2015年1月発行で、あとがきの日付が2014年11月になっているので、ここに書かれていることは、割と新しい。

 

私が北京に滞在していたのは、今から20年ほど前だが、その当時でも再開発は行われていた。

外国人向けの「胡同ツアー」なるものがあり、ガイドに引率され、人力車に載り、胡同(フートン)を巡るといったものだった。(先ほど検索してみたところ、このツアー、まだ存在するようだ。コースも同じ感じ)

 

そのツアーで見学した四合院(中国北部の伝統的家屋の形式)のお宅は、昔であれば、豊かな大家族の一家が住んでいたが、現在は数家族が住んでおり、かなりのアレンジがなされ、庶民的なテイストになっていた。それはそれで、風情があったのだが、「本来の四合院での設えはどうだったのだろうか」と思った記憶がある。

 

本書を読んで、雑居状態の四合院を壊して、新たに四合院を建設しているところ(富裕層向け住宅、レストランなどに使用)もあるとの記述があった。

えっ。それなら、現在の四合院を修復すれば良いのに・・・、と読み進めていくと、修復し、手を入れてホテルなど商業施設になっているところもあるようだ。

できれば、古いものはなるべく残しておいた方が良いように思う。

 

本書には、胡同にちなむ人々の紹介もなされていた。

「北京っ子のヒーロー、燕の李三」が興味深い。清末から民国期にかけて活躍(?)した義賊だそうだ。日本の「鼠小僧」のような感じらしい。

 

又、花枝胡同、金魚胡同、椅子胡同などなど、胡同の名前にはユニークなものが多い。

胡同の名前を分類したり、由来や変化をまとめた図書が何冊も出版されているそうだが、なんと、1944年に『北京地名誌』とういう本を出版していた日本人がいた。多田貞一氏といって元々は旧制中学の漢文教師、その後北京で日本語教師をしていたそうだ。

 

ふむふむ。

 

と、なかなか興味深い内容の1冊だった。この本を持って北京を旅するのも良いかもしれない。

 

***************

 

姉である文筆家・千種清美(ブログはこちら→×××)の作った「伊勢開運手帳」が発売中のため、絶賛販売促進中である。

 

 

そして、11月12日土曜日の午後から、姉の「伊勢志摩の一年~あなたはいつ旅をしますか」の講演が、日本橋で開催されるそうだ。(姉のブログ「東京で講演があります」→×××

 

実施日:11月12日(土)

開催場所:TKP東京駅日本橋カンファレンスセンター

時間:13:30~15:30(開場13:00)

募集:100名(事前申込み、先着順)

参加費:500円(当日)

主催:歴史街道推進協議会

ウェブサイト:http://www.rekishikaido.gr.jp/2016ise/

 


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