ひさびさに角田光代作品。
三面記事小説 (著)角田光代
- 三面記事小説 (文春文庫)/文藝春秋
- ¥551
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本書は、実際に起こった事件をヒントに作られた短編小説が6編収録されている。
新聞記事には短く報道されていた事件でも、こんなドラマがあるのかも知れない・・・。
新聞を読んでいて、背景が知りたいと思うような事件もあるが、詳しくは報道されないことが多い。
各物語に登場するのは、平凡な市民たちである。
その市民たちは、普通の平凡な日々を送っているのだが、何かをきっかけに自分の持っている「狂気」を膨らませていく。
そして、事件が起こる。
著者は、その過程を描くのが本当に巧い。
もう、はっきり言って、恐怖を感じた。
本書を読んで、誰しも少量の「狂気」を持っていて、それを押し縮め、消しながら、「正常」に生きているのかも知れない、と思った。
生きている人間が一番怖い、かも。