読了。
これまで月1回は行っていた割烹。
8月下旬で店舗移転するので、寂しいことこの上ない。
その割烹の大将が本書を読んでいるとのことで、見せてもらったところ、
京都の町家の素敵な写真が沢山掲載されており、また、図も多かったので、
私でも読めるかと思い、図書館で借りてみたが・・・・。
いやあ、難しかった。
久々に勉強したなあという気分になった一冊であった。
京都の町家に学ぶたしかな暮らし (著)松井薫
町家については、旅館やお店などにリノベーション使われているなど、素敵な事例を雑誌などで見かける。
又、随分昔になるが、エッセイストの麻生圭子氏が京都で町家に住んでいた様子をやはり雑誌などで読んだ記憶がある。
本書を読んで一番驚いたことは、町家というものはもう新築できないということである。現在の基準に合っていないそうで既存不適格建築ということになるらしい。
なので、現在ある町家を壊してしまったら、もう、それで終わりということである。
なるほど…。
しかし、本書で紹介されている町家は無くしてしまうには惜しい、大変美しい建物である。
通りニワの炊事をするところの上部の吹き抜け「火袋」など、写真を見ると大変ダイナミックで素敵であるし、庭に向けての縁側も涼し気である。
まあ、掃除、メンテナンスなどのことを考えると大変だろうなあ、以前より夏の厳しさはひどくなっているし、なにせ現代人は便利な道具に慣れている。それらが使いにくい住宅は…。
本書に掲載されていた対談「町家とゴリラ」は大変興味深かった。
一級建築士である著者の松井薫氏と、総合地球環境学研究所所長・野生ゴリラ研究家の山極壽一氏の対談である。
ジャングルと町家の共通点など、目から鱗であった。
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本書を紹介してくれた大将のお料理。
7月末に訪れた時の記録である。
一番最初に出された、鮑の大和芋のすり流しは、切子の器で出されて、大変美味しかったのだが…ああ、写真を撮ったつもりが撮れていなかったのである。残念。
鮑のコリコリッとした部分、ほろりと柔らかい部分、様々な美味しさが味わえたなあ…。
そして、こちらは蛤である。
タレとの相性がとても良かった。何だかあか抜けたお味だったなあ。
そして、所謂「インポート」ものであるが、初物ということで出していただいた松茸。
炭火で焼いていただいた。
もう松茸なんだ…と思いつつ。まだまだ真夏だが、こう写真で見ると何となく秋の気配?!
そして、これはビックリ。
「タイラギ」である。大きいぞ。
歯ごたえもあって美味しい貝であった。
そして、「うざく」。こちらのお店では3回目である。
美味しい~。
こちらは長良川の鮎。
蓼酢の代わりにこのペーストを付けていただく。
鮎の苦みが美味しいと思ったら大人かも…。
この他にもお吸い物など盛りだくさんに出していただいた。
最後は、この割烹の大将のお宅での日常ご飯「トマトパスタ」。
美味しいとの評判なので、リクエスト。
ごろっと入っているのはベーコン、モッツァレラチーズ、生バジル。
ソースにはお醤油も入っているらしい。
濃厚。
この後、コーヒーと甘いものを頂いて終わりに。
お店の移転までに、あと1回すでに予約は入れてある。
その次は…どうだろう。ああ、寂しくなるなあ。