7月28日にアーティゾン美術館「空間と作品」展に行ってきた。
その3からの続きである。
4F会場に移動。
ここは額縁をクローズアップして展示されている。
藤田嗣治 「猫のいる静物」 (油彩・カンヴァス 1939-40)
藤田嗣治は自分で額縁のみならず、家具なども作っていたそうだ。
この表情!ニャーッという鳴き声が聞こえてきそう。
額は、インテリアの一部であり、建物の様式と深く関わっていたそうだ。
その様式が紹介されていた展示室。
アルフレッド・シスレー 「サン=マメス六月の朝」 (油彩・板 1884)
ルイ13世様式ではないかということ。
一番外側は連続する葉の文様だそうだ。
ウジェーヌ・ブーダン 「トルーヴィル近郊の浜」 (油彩・板 1895頃)
ルイ14世様式。上の「サン=マメス六月の朝」よりも額の幅が広くなり文様も複雑になっている。四隅のアカンサス模様が特徴だそうだ。
次のコーナーは、個性的な額が展示してあった。
国吉康雄 「夢」 (油彩・カンヴァス 1922)
この額は、ニューヨークでギャラリーを運営するエディス・グレガー・ハルパートが設えたそうだ。
縁が前にせり出しているユニークなデザイン。
額の素材も合わせて、とても絵に合っていると思った。
ヴァシリー・カンディンスキー 「3本の菩提樹」 (油彩・板 1908)
とてもオシャレな黒い額縁。
青木繁 重要文化財「海の幸」 (油彩・カンヴァス 1904)
この額にまつわる説明がQRコードで見られるようになっていたが、あまりに文字が小さかったので、読むのを断念してしまった。
魚や波?鱗?が彫られている。粗削りなタッチだからこそ、味わい深いかも。
パブロ・ピカソ 「カップとスプーン」 (油彩・カンヴァス 1922)
この額装も素敵!木の素地が使われている。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
「騎手(Ⅰ)」 (カラーリトグラフ 1899)
展示の内容によって額を変えることがあるらしい。
これは、今回の展示のための組み合わせのようだ。
牛島憲之 「タンクの道」 (油彩・カンヴァス 1955)
この額は、牛島憲之が考案したデザインを元に新調したものだそうだ。
岸田劉生は、「劉生縁」という呼称があるほど、額縁にこだわりがあったとのことだ。2点撮影した。
「麗子像」 (テンペラ・カンヴァス 1922)
背景の色と額縁の色が似ている!
よく見ると凝った作りなのである。
「麗子坐像」 (水彩・紙 1920)
額装マットは、無地が一般的かなと思っていたが更紗のような布が使われている。
こういうのも良いかも…。
(続く)