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五感であじわう日本の美術 その2

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昨日、三井記念美術館「五感であじわう日本の美術」展を訪れた記録の続きである。

 

展示室5に移動。

引き続き、「Ⅲ.香りを嗅いでみる」である。

 

「扇面蒔絵香具箱・十種香道具」 江戸時代・17世紀

 

 

この蒔絵の箱に収納されているのは…、

 

 

解説パネルによると、十種香というのは、数種の香を10包たき、その香りを聞いて名前を当てる遊び。

 

 

「香木蘭奢待・錫合子」 時代未詳

 

 

解説パネルに「蘭奢待は東大寺の正倉院に平安時代に伝来したとされる香木で、天下第一の名香とされます。織田信長が切り取ったことで有名です(後略)」とあった。

 

これって…正倉院展についてのテレビ番組か、元正倉院事務所所長・西川明彦氏の「正倉院のしごと」で、映像か写真で、香木そのものを見たことがある。

 

切り取った部分に切り取った人(織田信長など)の名札が張り付けてあったような…。

 

その一部がこれなのか…。

うーむ。いったいどんな香りだったのだろう。

 

 

「Ⅳ.触った感触を想像してみる」

 

「流釉輪花建水」 野々村仁清作 江戸時代・17世紀

 

 

建水というと裏方のようなイメージがあるが、なんと可愛い形の建水なのだろう。

目を引く色を使っているわけではないが華やか。

 

 

展示室6 「Ⅴ.音を聴いてみる」

 

「木菟」 小林古径筆 昭和時代・20世紀

 

 

解説パネルによると、コノハズクか、オオコノハズクを描いたものだそうだ。

ネットで検索すると、鳴き声を紹介するサイトをいくつか見つけることができた。ああ、便利な世の中。

 

解説パネルに、コノハズクの鳴き声は「仏法僧」と表されているとあり、ネットでもそう紹介されていた。

 

実際に鳴き声を再生させてみると…なるほど、「ブッ ポー ソー」と聞こえないことはないが、どっちかというと「ブッ カッ コー」かなあ。

 

 

しかし、ここに描かれたコノハズクは黙ってすましている感じ…日本語を流ちょうに話しそうな気もする。可愛くて賢い感じ。

 

 

「栗と虫」 小林古径筆 昭和時代・20世紀

 

 

ああ、早く秋にならないか…と、まだまだ梅雨も明けていないのに思ってしまった。

 

 

栗も良いなあ(食べたいなあ)。

 

 

展示室7へ。

 

「狐狸図」 永樂保全作 江戸時代・嘉永7年(1854)

 

 

永樂保全といえば、有名な陶芸家。

昨日のブログに写真を掲載した「交趾釉兎花唐草文饅頭蒸器」も永樂保全の作品である。ほう、こんな絵も描くのか…。

 

 

右は、月夜い腹太鼓を打つ狸。腹太鼓の音ってどんな音だろう。

左は、お坊さんに化けた狐が描かれている。

 

 

「秋草に兎図襖」 酒井抱一筆 江戸時代・19世紀

 

 

満月の晩、強風に揺れる秋草から白ウサギが飛び出てきた様子が描かれている。

 

 

「外隈」で満月が表現されている。

斜線に見えるのは、薄く削った板を斜めに敷きつめているのである。その木目。

びゅうびゅう音が聞こえてきそうだ。

 

 

とても凝った作りの襖。これは元々はどちらの邸宅に使われていたのだろう。


(その3に続く)


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