読了。
主人公は、現在の東京メトロの前身、「東京地下鉄道」の創業者である早川徳次。「地下鉄の父」といわれる。
地中の星 (著)門井慶喜
物語は、「その日の徳次の朝めしは、ごはんに味噌汁、ひじきの煮もの。」(太字部分は本書からの引用)から始まる。
その煮ものは、「ひじき八に対して二ほどの割合で」煮豆が入っている。
この部分を読んで、私は急にひじきが食べたくなり、ひじきの煮物を作ってしまった…。
主人公・徳次は「豆」を使って、実際には白豆と黒豆を使って銀座四丁目交差点などの通行者人数の調査を始めるのだ。
わくわくと先を急いで読み、「開通披露式」の場面はなんだか熱くなった。
又、実際に工事に携わる人々についても描かれていた。
掘削担当の奈良山勝治。(旧制)中学卒の秀才という異色の経歴の持ち主。
そして、路面覆工担当の木本胴八。
こちらは軍隊に入隊し事故にあい、視力が著しく低下し除隊。その後、視力が悪くてもハンデが少ないとのことでトンネル工事に従事し、めきめきと頭角を現し、責任のある仕事を受け持つようになる。
この2人は仲が悪いように描かれていたが、読み進めて、奈良山勝治の背景を知ると、複雑な心境になる。また、語られていなかった勝治の「その後」も気にかかる。
そのほか、東急線沿線に住む私にとって、又、五島美術館が好きな私にとって「お馴染み」の五島慶太氏も登場する。
楽しいエピソードも紹介されていた。
「新橋開通祝賀・地下鉄祭」のキャンペーンで、「袋のなかみはお菓子、おもちゃ、車両模型等でつまりはおおむね子供むけ」のお楽しみ袋を配ったそうだ。
これは、費用の問題で、大人向けではなく子ども向けになったそう。
しかし、「大の大人がーー男女ともーー降車時にこれをもらうと声をはずませ」たそう。
「そもそも人間というのは乗りものの前では子供になるのだ」と書かれており、大きく納得。
このお楽しみ袋は大好評で、各駅には長蛇の列ができたと書かれていた。
うーむ。こういうお楽しみ袋は、私も欲しい。
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近くにある公園。日当たりの良いところの梅が開花していた。
この公園を通って向かったのがこちら。
「餅菓子専門店《KIKYOYA ORII -since 1607-》」
三重県伊賀市の老舗のお菓子屋さん「桔梗屋織居」の19代目(!)の餅菓子専門店とのこと。
前から気になっていたのだが、婦人画報で紹介記事を読んで行かねば、と。
いろいろ求めた。
「濃茶大福」
お餅の中は抹茶餡とホワイトチョコのクリームが入っていた!
これは美味しいぞ。
「フランボワーズとショコラの大福」
こちらは季節限定だそう。
濃厚なチョコレート味に甘酸っぱいフランボワーズの味が効いている。
「十九代目の豆大福」
上等な豆大福という感じ。柔らかく、マイルド。
近場にこんな素敵なお店ができたとは。散歩の楽しみが一つ増えた。
「桔梗屋織居」といえば…。
これ。限定品とのことで「デパ地下」で求めた。
癖になる美味しさ。すぐに食べきってしまったので、ちょくちょく売り場をチェックしたい。(そんなに頻繁にデパートに行けるのだろうか)