6月16日に読了。
雑誌「和樂」でお馴染みの「コバチュウ先生」こと美術史学者であり岡田美術館館長の小林忠氏による琳派の入門書である。
教えてコバチュウ先生!琳派超入門 (著)小林忠
本書は、絵画の写真が多数掲載されていて、大変分かりやすい。
また、アーティゾン美術館「琳派と印象派」展で見た絵画がいくつか紹介されていた。
なんと、コバチュウ先生は同展覧会の監修をされていたようだ。なるほど。
本書に、琳派の美術様式とは、どんな作品を見ても心が豊かになるという意味での「贅沢」というようなことが書いてあった。
「ギラギラでなくキラキラしている。品が良いんです」とも。
なるほど、「キラキラ」か・・・。
琳派は「私淑」で美術様式が受け継がれていったため、「写す」、「真似る」ことで学ばれていた。
例えば、俵屋宗達の「風神雷神図屏風」は、尾形光琳は「敷き写し」し、
酒井抱一、鈴木其一は模写している。そのほかにも大勢の画家の同じテーマでの作品がある。
本書では、光琳と其一の「三十六歌仙図」が写真で紹介されており、比較すると面白かった。もっと大きな写真、いや、実物で比較すれば、もっと興味深いに違いない。
このほか、大阪の中村芳中、そして近代の神坂雪佳もしっかり紹介されていて、大変楽しく読んだ。
ああ、10月末からのパナソニック汐留美術館「つながる琳派スピリット 神坂雪佳展」が楽しみでしょうがない。
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先日、神保町の和菓子店「ささま」に行ってきた。
すてきな包装紙である。
上から時計回りに「青梅」、「松葉最中」、「玉川」、「麦秋」、「久寿桜(くずざくら)」である。
「久寿桜」は当日中に、ということだったので、帰宅後早速。
江波冨士子氏の「紫陽花」で。
このお茶碗が楽しめる期間は短いので、がんがん使っている。
夜には「玉川」を楽しんだが、これは写真なし。
丸い石のように見えるのは餡を丸めて作ったものだそうで、美味しかったなあ・・・。
翌日、「青梅」、「麦秋」を楽しむ。
これは、「麦秋」の写真。お茶碗は小西潮氏のもの。
そして、こちらの赤いお皿は、脇山さとみ氏の作品なのである。
神田駿河台にある「トライギャラリーおしゃのみず」で催されている脇山さとみ展「古今往来」で求めた。
実は、ずっと脇山さとみ氏のお茶碗が欲しいと、東京で個展が開かれるのを待っていたのだ。
・・・が、今回はお茶碗の出品はなし、とのことで、またの楽しみに取っておく。
脇山氏も在廊されており、いろいろお話を伺え、ああ、行って良かった!
その帰り道に、「ささま」へ。
そして、建替えのためにクローズしている三省堂書店を見つつ、すずらん通りをぶらぶらあるいて帰路についた。