昨日、読了。
本書は、『鳥獣戯画』甲巻についての謎解きである。
編集者(Q)が、著者(A)に質問し、それに著者が答えるQ&Aスタイルで書かれているので分かりやすい。
著者は、京都国立博物館研究員で、東アジアの考古学が専門とのこと。
玄奘三蔵の『大唐西域記』を始めとして、様々な資料が紹介されていた。
鳥獣戯画のヒミツ (著)宮川禎一
本書の最初のほうに、「岩手県平泉の柳之御所遺跡から板に墨で描かれたカエルの戯画が出土しています。手に扇子をもった立ち姿のカエルですから、「甲巻」と近い関係にあるとされています(後略)」(太字部分は本書からの引用)とあり、
その「板に墨で描かれたカエルの戯画」も掲載されていた。
ビックリ。
私はこの4月に東京国立博物館の「国宝 鳥獣戯画のすべて」展に行っているので、リアルな鳥獣戯画を見ている。
うむ・・・この「板に墨で描かれたカエルの戯画」は、本家を見てスケッチしたのか、そんなものに見える。
『鳥獣戯画』甲巻の主な登場動物は、ウサギとカエル。川に飛び込んだり、相撲を取ったりしているシーンが有名。
このウサギとカエルの共通点は、月にいること。
ウサギは月、そう思っていたが、カエルも月にいたとは。
「月にウサギが居る話は東アジアでは確実に中国の前漢時代(紀元前2世紀)には遡ります」
馬王堆漢墓の着物にヒキガエルとウサギが描かれ、そのスケッチが本書に掲載されていた。
本書では、前漢時代の『淮南子』に書かれた話が紹介されており、
弓の名手の羿の妻の嫦娥が、羿が西王母からもらった2人分の不老不死の薬を、1人で2人分の薬を飲んだため、身体が浮遊し、上昇し、ついに月に到達した。月で、不老不死の薬を勝手に飲んだ報いとして、ヒキガエルになったということであった。
うむ・・・ここまで書いてみると、そういえば、そういう話をどこかで読んだことがあるかも・・・。
興味深いと思ったのは、『絵因果経』。
釈迦の生涯を文字と絵画で表現した絵巻物で、これは、中国唐時代前半(7~8世紀)のものを日本で模本として作られたそうだ。「日本の絵巻物のご先祖とされるものです」とのこと。
Qの発言として「なんだか素朴なタッチの絵だったような」とあった。
私もどこかで・・・恐らく絵巻物の解説本かなにかで見たことがあるような。
この『絵因果経』から、釈迦が弓を引く場面、相撲を取る場面、白象が転倒した場面が写真で紹介されていた。
お釈迦様ってアクティブな方だったのだ。
そして、『鳥獣戯画』甲巻でも ウサギとカエルが弓を引いたり、相撲を取ったり、カエルが転倒しているシーンがある。ふむふむ。
『鳥獣戯画』絵巻を所蔵している高山寺。高山寺といえば明恵上人である。
「国宝 鳥獣戯画のすべて」展でも「明恵上人坐像」を始めとした明恵上人ゆかりの品々が展示されていた。
そして、本書にも明恵上人については、色々なエピソードが紹介されていた。
私がメモしたいと思ったのが、この和歌である。
あかあかやあかあかあかやあかあかや あかあかあかやあかあかや月
うーむ!!
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故郷の三重県津市の従姉妹から、こんな素敵なものが届いた!!
かわいい!
搾りたてらしい。
牧場のアイスクリームなのだ。
アイス容器の側面も気になる。
牛さんを前、横・・・
後、横。可愛い!
様々な味があり、すっきりと美味しい。
「杏仁」味など、ほんとうに「杏仁」!
このアイスクリームのほかにも故郷の味が同梱されており、もう、涙、涙で美味しくいただいている。
本当にありがたい。
帰省できる日まで、元気で過ごさなければ!