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浮世絵風景画 広重・清親・巴水 三世代の眼 その2

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その1からの続き。

 

品川を描いた作品。

 

歌川広重 「名所江戸百景 月の岬」 (安政4年(1857) 東京藝術大学 蔵)

 

 

この作品には、こんな解説パネルが。

 

 

このような素晴らしい解説が要所要所に付けてある。

解説にタイトルが付けてあるのは、私は初めて見た。

 

小林清親 「武蔵百景之内 品川見越ノ月」 (明治17年(1884) 株式会社渡邊木版美術画舗 蔵)

 

 

こんな雰囲気のものも清親は描くのか!と驚いた作品。

清親と言えば「光線画」。描くモチーフも何となく「文明開化」の香りがするような・・・と思っていたのが、ひっくり返った。

解説パネルによると清親作品は広重の作品から「さらにひとひねり加えて蚊帳と行灯のみを描いて」その場の状況を匂わしているとのこと。

 

鑑賞をしていて、ふと気になった部分。上の画の余白左下部分。

 

 

画工と出版人の住所まで書いてある・・・。「御届」とは?

 

川瀬巴水 「東京十二題 品川沖」(大正9年(1920) ギャラリーそうめい堂 蔵)

 

 

巴水だけ、ガラッと違う。

 

上で解説パネルを1つ紹介したが、他にも色々工夫が。

 

 

このように様々な技法が示してあった。大変分かりやすい。

 

川瀬巴水 「東京十二題 深川上の橋」(大正9年(1920) 町田市立国際版画美術館 蔵)

 

 

こちらには、「みどころ」として他の2人の作品も示されていた。

 

 

こういう構図は魅力的。

 

以下は、川瀬巴水作品のメモ。

 

東京十二題 桔梗門」 (昭和4年(1929) 町田市立国際版画美術館 蔵)
 こちらの「桔梗門」は、「角雲版」。

旅みやげ第二集 浜小屋(越中永見)」(大正10年(19219 ギャラリーそうめい堂 蔵)
 解説パネルに「巴水の作が姿勢を示す一枚。巴水は単純で面白みのある風景が版画に適しているとか、景色が良いだけの風景は版画に向かないなどと書いています」 
 地元の人は景色の良いところを数々案内したが、巴水は結局、漁業に使う網を繕っているところを版画化したエピソードが紹介されてあった。なるほど。

旅みやげ第一集 秋の越路」(大正9年(1920) 千葉市美術館 蔵)
 パネルの解説のタイトルは、「黄金色の稲越しに望む日本海」。

旅みやげ第三集 出雲松江(曇り日)」(大正13年(1924) 株式会社渡邊木版美術画舗 蔵)
 大田区立郷土博物館の図録で調べてみると、この「旅みやげ第三集 出雲松江」には「曇り日版」のほか、「三日月版」と「おぼろ月版」があるようだ。
 本展覧会の「曇り日版」は、白い土蔵が川沿いに描かれているしっとりと落ち着いた雰囲気の画。

****************

 

「フォトコーナー」

 

 

巴水の「東京十二ケ月 麻布二の橋の午後」である。この作品も好きである。

 

 

こんな小道具も。

上のタペストリーの前に並んで、この板(?)を前に置いて記念写真するのだろう。ふむふむ。


 


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