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没後30年記念 笠松紫浪 ―最後の新版画 後期展示

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太田記念美術館に行ってきた。

 

 

「没後30年記念 笠松紫浪」展の後期展示を鑑賞してきた。

 

2月に前期展示に行ってとても良かったので、後期展示にも是非!と思っていた。

 

 

ポスターにもなっている「うろこ雲」(大正8年(1919) 渡邊木版美術画舗蔵)が見てみたかった。

 

 

図録の表紙にも使われている。

本作品は、笠松紫浪の初期の作品だとのこと。

実際は、もっと明るい感じだと思う。

このようなモチーフの版画はあまり見たことがなかったので、大変新鮮だった。

 

同じく、初期の作品で、「落陽」(大正8年(1919) 渡邊木版美術画舗蔵)は、夕方の太陽光を黄色く表現し、青っぽい影の色との対比がとても斬新だった。

 

月の出 根津権現」(昭和7年(1932)4月 渡邊木版美術画舗蔵)

 根津神社、月次花御札を集めていた頃は毎月拝していたな・・・。今年は「つつじまつり」も中止。来年は訪れたい。

 本作品は、月の出が描かれている。境内を歩く和装の女性たちは暗く、月が出ている空は明るく描かれ、静かな雰囲気。良いな。

 

夕空 日暮里諏方神社」(昭和7年(1932)秋 渡邊木版美術画舗蔵)

 解説パネルに「鳥居の奥にいる赤子を背負った母親、木の枝の間から姿を見せる明月を見逃さないでほしい」と書かれてあったとメモ(メモの字が乱れていて、一部判読できず、間違っているかも)してあった。これが書かれていなかったら、夕空の藍色から紅色の美しいグラデーションに目を奪われ、見逃していたかもしれない。特に「赤子を背そった母親」は暗く、実は気がつかなかった。

 

護国寺鐘楼(雪晴れ)」(昭和8年(1933)3月 渡邊木版美術画舗蔵)

 解説パネルに「屋根や木々に積もった雪をバレン跡を残して摺ることによって、ふんわりと仕上げている」とあった。

 

春の雪 浅草鳥越神社」(昭和9年(1934) 渡邊木版美術画舗蔵)

 こちらも雪の表現に「バレン跡」を残して摺っている。

 

 確かに、バレン跡というのは効果的。摺り方にも様々な技法があることが分かった。

 

********

 

桜もちを食べた。

 

 

お茶碗は伊藤千穂氏の旅持ち茶碗である。

旅持ち茶碗を使うと、村瀬治兵衛氏の直径24㎝の「沢栗金砂盆」に収まる。

小ぶりのこのお盆は私の仕事机でのお茶タイムにぴったりなのである。

 

 

この桜もちは、道明寺粉、中はこしあん、2枚の葉に包まれている。

もち生地はあくよくある淡紅色ではなく生成の白。葉を二枚で包んだのは、ピンク色に負けるその地味な生成の色をカモフラージュせんが為。」とリーフレットに書いてあった。

食べるときは、手づかみで「あっさり“パクリ”“ムシャリ”とやっていただきたい」とあったので、パクリと食べた。


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