上巻に続き、下巻も読了。
緊急事態宣言が解除され、日常が徐々に戻って外出するようになると、これはもう読まないだろうとかなり優先的に時間を取って読んだ。
「エピローグ」にこうあった。
「人類の長い歴史が大陸ごとに異なるのは、それぞれの大陸に居住した人びとが生まれつき異なっていたからではなく、それぞれの大陸ごとに環境が異なっていたからである」
著者は、膨大な歴史的事実、データなどの比較、考察を通してこれを語った。
それに興味がある方は読んでいただくとして、下巻で興味を持ったものをメモ。
1820年頃に、文字を持たないチェロキー・インディアンのセコイヤという人が音節文字を作ったそうだ。
白人が紙に文字を書いているのを見て、セコイヤは絵や図柄を使って帳簿を付けるようになり、1810年頃にチェロキー語の表記法を開発をすることにし、様々な試行錯誤を経て、英語のアルファベットから約20ほど文字を借り、独自に開発した記号も合わせて完成させたそうである。その文字はチェロキー族に100%広まり、チェロキー族の新聞まで発行されたとのこと。
驚いたのは、いくら模倣して作ったとは言え、1人の人間が文字を作り上げたということだ。
そして、それが部族の人びと全員に使われたということ。
次はキーボードの文字配列。もしかしたらこれは有名な話かもしれない。
現在使われているQWERTY配列は1873年に開発され、タイプのスピードを上げられないように工夫されているそうだ。それは、タイプが速いと当時のタイプライターのキーがからまってしまうため、タイプライターの指の動きを遅くする必要があったらしい。
この配列が一般化しているため、もっと効率の良い配列が開発されても普及しないようである。
東オートストラリアのアボリジニは冬眠中のボゴングという蛾を食用にしていたようである。焼くと焼き栗のような味がするようだ。
何だか興味がある・・。
アメリカインディアンというと、馬に跨がっているイメージだが、これは1492年以降にヨーロッパから入植してきた人びとが馬、牛、羊など家畜や農作物を持ち込んで、それがインディアンの人びとに伝わったとのことである。それ以前のアメリカ大陸には家畜によい動物はいなかったらしい。ほう・・・。
まだまだ付箋を付けたところはあるが、この辺で。
大変勉強になった。
銃・病原菌・鉄(下) (著)ジャレド・ダイアモンド (訳)倉骨彰