今日は、上野毛の五島美術館に行ってきた。
お目当ては、ギャラリートーク「江戸時代のガイドブック」
スライドを見ながら、旅をテーマにした作品のお話を聞く。
今回出品されている「唐大和上東征伝」(大東急記念文庫 蔵 重要文化財)は、平安時代の写本だそうだ。年号などの記述がなかったが、「くせ字」の特徴で年代が特定でき、重要文化財になったとのこと。ほー。確かにクセのある文字である。
江戸時代になると、旅をする人が増え、海路や陸路の地図が作られた。
「江戸より大坂迄宿付名所旧跡・大坂より長崎迄船道名所旧跡」(大東急記念文庫 蔵)には、今では陸路だが、当時の「宮宿」から「桑名宿」の七里の渡が描かれ、三重県ルートが賑やかだったとのこと。又、鳴門海峡の部分では、沈みかかった船が描かれているとのことだった。
展示を見に行くと、おお、鳴門海峡に半分沈みかかった船が描かれていた。これは面白い。
又、東海道の三重県ルート部分では馴染みの地名もあり、これも面白い。
京のガイドブック「京童」(中川喜雲 著)は、清めるためや病気を治すためなどで川に入ったり、滝に打たれたり、水浴びをしている挿絵が多いとのこと。
大坂のガイドブック「蘆分船」(一無軒道治 著)は好評だったためか、同じ著者が「難波鑑」という本も出している。こちらは、四季折々の行事などが紹介されている。
江戸のガイドブック「江戸雀」(近行遠通 著)は、なんと挿絵が、菱川師宣!うむ。なるほど。絵に動きがあるというか、見応えがある。
このほか、「三河みやげ書抜」は、写本でカラー。珍しい風俗が紹介されている。
「長崎紀聞」も写本でカラー。展示されているページは食事のシーンだったがとても鮮明な色使いだった。
(この部分全て、展示されていたのは、大東急記念文庫 蔵のもの)
お話を聞いてから鑑賞すると、「なるほど、なるほど」と理解が深まるような。
江戸時代のガイドブックの挿絵がとても面白い。
建物、人々の服装や表情、見所が沢山。