読了。
門井慶喜作品は、「東京帝大叡古教授」、万城目学氏との共著「ぼくらの近代建築デラックス!」を読んだことがある。
本書は、第158回直木賞受賞作品。
銀河鉄道の父 (著)門井慶喜
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タイトルのとおり、宮沢賢治の父・政次郎を中心として描かれている。
最近読んだ「たゆたえども沈まず」のゴッホと同じく、宮沢賢治の生涯も有名なので、物語の進み方は予想がついたが、
「え、宮沢賢治ってこんな感じ?!」
と、新しい宮沢賢治像が脳裏に浮かんだ。
当時、高等教育機関を卒業している人は、かなり裕福かつ進歩的な家庭と考えられるのだが、
「雨ニモマケズ」のイメージが強すぎて、何となく「清貧」という印象を持っていた。
本書を読むと、親にお金の無心をしていたり、「えっ?」と思うような起業を妄想していたり・・・
割と俗っぽいというか、現在の「ニート」っぽい要素を持っていたというか・・・
そして、その賢治を溺愛する父親、
現在の「イクメン」のようである。
賢治が亡くなり、物語は終わるが、悲しさよりも、どことなくユーモアのある文章で温かい気持ちで読み終えることができた。
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多分、近所の緑道で撮影したもの。
季節の変化がはやく感じられるのは、年をとった証拠だろうか。
もう紫陽花か・・・。