本日は、根津美術館に行ってきた。
「やきもの勉強会 食を彩った大皿と小皿」展である。
本日は、スライドレクチャーが行われるというので張り切って、少し早めに地下の講堂前で並んだ。
今回の展覧会は、「皿」に焦点が当てられている。
スライドレクチャーでは沢山興味深いお話が聞けた。
液体を入れる容器が先に発達して、皿は後だったとのこと。
皿は、葉っぱなどで代用できる。
ふむ。
そして、絵画の中で描かれている皿についての解説も面白かった。
ヨーロッパ絵画に芙蓉手の皿が描かれている。
絵巻物にも青磁かと思われる皿や、塗り物の器などが描かれている。
これは、展示室にも掲示してあった。絵画と展示物を見比べるのも楽しい。
この絵では取り箸が使われていない、この時代になると取り箸が描かれている。
取り皿を使わないで大皿から直接スプーンで食べている、とか。
ブリューゲルの「農民の婚宴」に描かれているお皿は木製、手前に描かれている子どもは皿に残っているスープを指を使ってなめている、とか。
こういう観点から絵画を見ても面白いかも。
幕末の下級武士がかいた絵日記「石城日記」。
展示室にも掲示してあった。
朝から晩まで食べ通しで、絵は食べているシーンが多いそうだ。
行田市という内陸部に住んでいた著者だが、食事は魚が多く(まあ、当時は肉食はないだろうから)豊かな食生活だったようだ。
家に帰って検索してみると、この「石城日記」、慶応大学の「古文書室展示会」というサイトで公開されている!
「第一巻」を閲覧してみた。確かにほとんどの絵に飲み物や、食べものが描かれている。
面白い。
皿を鑑賞するときに、この皿にはどんな食べものが盛られていたのか、とはあまり考えたことがなかったが、本展覧会では、何が盛られていたのかを想像しつつ鑑賞した。
美術館のお庭。都会のど真ん中だが、心なしか涼しい。木陰と池の恩恵。
木々も精気に満ちている、という感じ。4月に訪れた時の様子と全く違う。